東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ リリー・フランキー 扶桑社 2005-06-28 売り上げランキング : 214 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
やっと読み終えました |
読み終えて、まず最初に思ったのは
『この世から、ばあちゃんがいなくなる事が
オイラにとっても一番の恐怖なんだろうな』
リリーさんにとって、
この世からオカンがいなくなることが
一番の恐怖だったように
そう思ったら
読み終わったその日は
単に泣いてグスグズになった鼻詰まりの所為かもしれないが
目を閉じたら、良くない事がおきそうで
胸がザワザワして
目を閉じて寝るのが怖かった
オイラにとって、ばあちゃんはかげないのない存在だ
オイラが泣かせたくない人
愛すべき妹たち二人
オイラを支えてくれるみんな
相方
そして、ばあちゃんだ
ココにチチハハが含まれていないのは
ま、それなりに理由があり、以前もココに書いたかもしれない
それはそれで、近いうちに理由を書きたくなる日がくると思うので
今日は敢えて書かないでおくゎ
かなり辛気臭い話になるかもしれないが
ばあちゃんを泣かせたくない、泣かせるわけにはいかないと思ったのは
じいちゃんの他界がきっかけだ
オイラが幼い頃のじいちゃんとばあちゃんは
番頭と女将
子分と親分
もっとやわらか(囹)な言葉を使うと
カカア天下だと思っていた
何か人手が欲しくなると、じいちゃんを大きな声で呼ぶばあちゃん
そんなばあちゃんに文句も言わず、言われた通りに用事をするじいちゃん
オトンの転勤で東京に引越し
オトンと夕飯を共にする機会が少なくなった頃から
休日でもオトンとオカンが、
他愛のない会話で笑ったり
一緒に買い物へ行ったり
それ以前のようにじゃれあったり
そういう姿を見かけなくなっていた所為もあってか
夫婦は同じ時間を過ごすと、交わす言葉も激減するんだと
オイラは思っていた
だから
いつまで経ってもカカア天下なじいちゃんとばあちゃんの姿は
オイラにとっては、なじみの薄い新鮮な光景だった
そんな二人の間には、もう愛情はもうとっくになく
一緒にいると何かと都合がよいから
同じ場所で同じ時間を過ごしてるんだと
思っていた
でも、
コレが違うってわかったのが、じいちゃんの葬式の時だった
少し市原悦子に似ていて
いつも綺麗にお化粧するお洒落さんで
いつも元気で大きな声で笑って
シモネタもペロッと話題にしてしまう
ばあちゃんがオイラは小さい頃から大好きだ
そんなばあちゃんが、とっても小さく見えた
何かあっても毅然としていて
みんなの先頭に立って
ちゃっちゃっと物事を片付けてしまう
そのばあちゃんが背中を丸めて、声を殺して泣いてた
その姿をみてオイラは
こんな思いを 二度とばあちゃんにはさせちゃいけないって
つよくつよく思った
その後、1年も経たずにオイラは過労で心身のバランスを崩し
うつ病になった
抗精神薬と導眠剤がなければ
まともな生活が出来なかった
薬を飲まないと、薬が切れると同時に
怒りと不満で頭の中がいっぱいになり
両頬と唇は、小刻みに振動しながら熱を持ち
気がつけば自然と左手が拳を作っていた
薬を飲めば飲んだで
いつになったら治るのかゴールが見つからず
一生薬を飲むことになるんじゃないか
そうなったらいつか廃人になるんじゃないかと
ぐるぐるぐるぐる考えては、自暴自棄になってた
いっそのこと、手元にある薬を一気に飲んで
死んでしまえ
そう思った事もたびたびあった
でもその度に、
深呼吸して目を閉じたその時に
見えてくるのは
小さく丸くなっている 喪服のばあちゃんの後ろ姿
そして
棺に釘を打ちたくないと、泣きじゃくって抵抗する妹二人
ここで我に返る。踏みとどまる
なにやってんだょ、じぶん
じいちゃん、ごめん
そう思って、
導眠剤が何シートも入っている救急箱に向いていた足を
一番落ち着くソファーへと向けてた
オイラがこうして
相方と一緒に幸せな日々を過ごしていられるのは
ばあちゃんと妹たちと
そして
オイラがくじけそうな時に
もんのすごい絶妙なタイミングで声を掛けてくれる
みんなのお陰
大真面目に感謝しています
相方へは、ココにかくと恥かしいので
折をみて直接話します
辛気臭い話はおしまいっ